Shinの雑記帳

台湾ワーホリ生活を中心にいろいろ書きます

映画『天空からの招待状』

こんにちは!

 

皆さんは、台湾映画の『天空からの招待状』(2013年)はご存知でいらっしゃいますか?原題は『看見台灣』です。

 

台湾の美しい風景を始め、環境問題にまで言及した全編空撮のドキュメンタリー映画で、日本公開版では俳優の西島秀俊さんがナレーションを担当したことでも話題になりました。

 

⋯⋯と、まるで知っているかのように説明申し上げましたけれど、私は映画自体は観ておりませんので、映画についてはこの辺でお話をやめておきますm(_ _)m

 

日本での知名度の都合上、今日のタイトルにさせていただきました。

 

さて、去る6月10日、この映画を撮影された空撮写真家でもあり空撮動画撮影家でもいらっしゃる齊柏林さんが、この映画の第2弾撮影中にヘリコプター墜落事故でお亡くなりになられました。

 

その彼の功績を讃える追悼展覧会「看見齊柏林」が6月24日から昨日まで開催されており、最終日の昨日行って参りましたのでレポートさせていただきます。

 

7月8日(土)の夜に、知人から本展覧会を紹介していただき、開催を知らなかったので慌てて行きました。

 

その方は、同じ展覧会場である台北の松山文創區で開催が始まったばかりの「ザハ・ハディド展」に行かれたとのことですが、「看見齊柏林」は長蛇の列ができており入場を諦めたと仰っていました。

 

なので、昨日は朝から行動し開場20分前に到着しましたが、誰も居ない⋯⋯

 

f:id:shiny503:20170711112524j:image入場口横のポスター

 

それでは入場してみましょう。中に入ると冷房が心地よく、薄暗かったです。

 

f:id:shiny503:20170711112647j:image入場後、一番最初に目につく展示

 

 

f:id:shiny503:20170711112918j:image映画でもアイコンとなっている田んぼの足跡もありました

 

 

f:id:shiny503:20170711113039j:image映画のワンシーンでしょうか、大きな写真がありました

 

 

f:id:shiny503:20170711113213j:image映像紹介コーナー、これは福島第一原発です

 

f:id:shiny503:20170711113437j:image高雄の風景

 

 

f:id:shiny503:20170711113519j:image気球にメッセージを書いたら映写機で投影してくれる

 

 

f:id:shiny503:20170711113648j:image最後の展示、台北101が神々しいまでに輝いています。もしかしたら五月天のMVかもしれません

 

 

f:id:shiny503:20170711113853j:image出口脇のポスター

 

もちろん、もっとたくさん写真が展示されており、入場料無料というのがもったいないほどの充実ぶりでした。

 

齊柏林さんと共に亡くなられたアシスタントさんで、花蓮にある國立東華大學の学生さんのご紹介もあり、若い才能も失われてしまったことを知ることができました。

 

また、「看不見的台灣」と題されたコーナーがらあり、個人的にはそこが最も印象的でしたが、いろいろと利権が絡んでいるのか撮影禁止エリアでした。

 

そのコーナーは、環境問題などが原因で破壊されゆく現在の台湾を切り取った写真展になっており、非常に痛ましい写真がいくつかありました。

 

その中でも特に印象に残った場所を2ヶ所ご紹介いたします。写真が無い点をご了承ください。

 

台中にある大甲溪出海口という所は、人工的に土砂で線状に埋め立てて、海中に漁網を張り巡らせてあるという大規模な養鰻場ということです。日本へ輸出するためにうなぎを人工的に成長させ、日本で高価な鰻魚飯(うな重のこと)となる、と紹介されていました。(グーグルマップの航空写真で見ましたら、はっきりと見えました!まさしく「看見」です)

 

日本に居たときは、うな重を月に一度はは食べないと生きていけなかった身としては大変心苦しい気持ちにさせられました。

 

もう一点、こちらは環境破壊とは違う視点かなと感じたのは、台北市の衛星都市である新北市にある觀音山墳墓です。

 

紹介文の一部を原文ママで掲載します。

「五股,八里,林口一代的觀音山麓更是全臺灣最大的濫葬區,大約485公頃的土地上散布各式墓園」

 

意味は、「埋葬は台湾人の習俗である」という前置きの文章があった上で、「五股、八里、林口(これらは地名)一帯の觀音山麓は、台湾最大の濫葬區(みだりに埋葬が行われているエリア)で、およそ485ヘクタールの土地に様々な形式の墓が散らばっている。」と。

 

写真をお見せできないのが非常に残念なのですが、確かに荒涼とした土地にお墓が、写真で見る限り馬蹄鉄みたいな形状でしたが、ぎっしりとまさしく散らばっている状態で、圧巻でした。

 

ちなみに、一生懸命に写真の説明文をメモしたにも関わらず、出口にて本展のパンフレットが250元で販売されており、そこに写真と共に文章も掲載されておりました(^^;;

 

展覧会場では写真撮影が禁止だったため、念のためパンフ掲載の写真も控えさせていただきます。

 

映像紹介コーナーで撮影した福島第一原発の写真は上記でご紹介いたしましたが、他にも東京スカイツリーや渋谷のスクランブル交差点なども撮影されており、日本でも撮影活動をされていたことを知りました。

 

実は映画第2弾の撮影で日本も撮っており、日本以外でも世界各地を撮影していたようです。と言いますのも、実は福島第一原発の映像も含め『看見台灣2』の予告編であり、2019年に台湾公開が決まっているようです。

 

世界各地の今の「顔」を通じて台湾を見る、というのが目的だったとのこと。

 

最後に、齊柏林さんのこのメッセージを紹介させてください。

 

「 我想要扮演大家的眼睛,透過空中影像紀錄,把我看見的也讓你們看見。」(私は空中で撮影した映像記録を通じて、私が目にしたものを皆さんにも見てもらえる、皆の目としての役割を果たしていきたい。)

 

f:id:shiny503:20170711133320j:imageこちらがメッセージ 

 

齊柏林さんのプロ意識を集約している一言だと感じました。

 

今回訪れた「看見齊柏林」展は、参観して本当に良かったと感じました。台湾の美しい部分も、目を背けたくなるような痛ましい部分も、全て含めて今の台湾を知ることができたと思います。

 

映画をまだ観ておらず、少し恥ずかしい気持ちになりましたので、なるべく早めに観てみます。

 

余談ですが、展覧会場の松山文創園區も大変素晴らしい環境で、たくさん写真も撮りましたので別途レポートしますね!

 

最後までお読みくださり、ありがとうございます(*^_^*)